同位体(アイソトープ)と放射性同位体

原子と分子

福島第一原発事故でも話題のトリチウム。
実はトリチウムも水素の放射性同位体です。

今日は具体例を交えつつ、
同位体と放射性同位体について見ていきましょう。

同位体

同位体はその名の通り、
重と書くように
原子の中性子数が異なるものです。
そのため、質量の差はあまり見られません。

陽子数が異なるとそもそも別の原子番号ですので、
陽子数か中性子数かで迷ったときは、
原子番号=陽子数だったということで、
思い出してください。
同素体は同じ素の体ですので、
同じ原子でもぜんぜん違う性質の物質です。

同位体の特徴

  • 質量数(≒重さ)が互いに異なるが、反応性などの化学的性質はほぼ同じ。
  • 天然に存在する同位体の存在比は同じ
生物学の分野では、細胞の原子の置き換わりを観るときに同位体は利用されます。

同位体の例

水素の同位体

水素には

  • 水素
  • 重水素
  • 三重水素

など7つの同位体水素が存在しています。

三重水素は放射性同位体です。

放射性同位体については
下記項目で見ていきましょう。

放射性同位体

放射性同位体とは、最初にあげた三重水素(トリチウム)のように、
放射線を出して崩壊する原子のことです。

三重水素のトリチウムの場合は、

というように、三重水素はヘリウム(陽子数2中性子数1)へと変化します。

半減期は12.32年です。
半減期はその名の通り、半分に減る期間です。

もう福島第一原発事故から12年は目前なので、
処理しなくてもトリチウムに関しては、
そろそろ半分に減ってるのではないかと思いますね。

コラム:学問と翻訳の成否
色んな科目を勉強してて、
化学の日本語訳は本当に素晴らしいと感じます。
反面、経済学の日本語訳はちょっとどうなんだろう?
みたいな訳が多いです。その翻訳の差が日本のノーベル賞の化学賞と経済学賞の差なんでしょうか?

三重水素は自然界でも一般的に見られる物質であり、
世界各国は原子力発電所から垂れ流しています。

ALPSという原子力廃水の処理をしても
どうしても水素は水の構成物質であるため、
水から水は取り除くのは困難でした。

しかし、最近では、三重水素ですら取り除ける機械も発明されました。

福島第1処理水、ロシア技術に脚光 トリチウム除去 - 日本経済新聞
東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまり続けるトリチウム水の処分について、トリチウムを分離し量を大きく減らしてから海洋に放出する手法を電力中央研究所の常磐井守泰元名誉研究顧問らが提唱している。「飲料水に含まれるレベルまでトリチウムを減らせば風評被害の回避につながるのではないか」と常磐井氏は話す。福島第1原発の壊れた...

この先、どう進むのか、
我々庶民は見つめるしか無いでしょう。

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